手作りスリングについての基礎知識

手作りスリングについての基礎知識

材料の適正を考える負荷の掛かりやすい部分を知る作り手としてのマナー(推奨)

材料の適正を考える

スリングは、赤ちゃんの命を腕の代わりに支えてくれる抱っこ紐です。
そう考えたときに、見た目の可愛らしさだけにとらわれてしまうと、取り返しのつかないことにもなりかねません。
是非、使用する材料の質も吟味したいところです。
こちらで説明する内容は、初心者向けとなっておりますので、スリング使用・製作両面において上級者の場合はアイディア次第で解決することもあります。

生地素材は、通気性のよさ・適度な薄さ・丈夫さを兼ね備えた自然素材を

最も無難なチョイスとしては、綿素材になります。
綿の中でも、織り目の詰まったしっかりしたもの・スリングのタイプに合った薄さのものを選びましょう。
その他の自然素材を選ぶ際にも、厚みや丈夫さ、肌触りを必ず事前に確認することが大切です。
化繊,織り目の粗いもの(ダブルガーゼやインド綿等),伸縮性のあるもの(ニット・フリース等)は基本的に不向きです。主に以下のような理由が挙げられます。
化繊=ポーチの中が蒸れてしまったり、デリケートな赤ちゃんのお肌に合わないことが多い。
ガーゼ等=織り目が粗いために、使用中にスリングが裂けた事例がある。意外に蒸れる。
ニット等=伸縮してしまう生地は、型崩れを起こしやすい。
また、生地は充分な幅・長さのあるものを選びましょう。継ぎ接ぎはスリング自体の強度を落とします。

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リングありスリングに合った生地

主に薄手の生地が適しています。
【例】
薄手ツイル,シーチング,ダンガリー,サッカー,リップル,クレープ,しじら,ブロード,薄手ワッフル等
【イメージ】
ワイシャツ,夏物パジャマ、浴衣、シーツに使用される程度の薄さの生地

勿論、冬物として中肉程度の生地を使用してもOKですが、リングのサイズには充分気をつけましょう。
基本的には、密着して使用するものなので、冬場でも薄手生地で充分です。
購入前に、ピンと引っ張ってみる・透かしてみるなどして確認しましょう。

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リングなしスリングに合った生地

主に中肉の生地が適しています。
【例】
ツイル,チノクロス,キャンバス,中肉デニム地,ギャバジン,シャークスキン,厚手ワッフル等
【イメージ】
エプロン,袋物,薄手のボトムスなどに使用される程度生地の薄さ

これより薄手の生地を使用する場合は、二重にするか別の生地を裏地につける、夏季限定にする等
工夫が必要な場合もあります。
また、これより厚手の生地(キルティング・厚手デニムなど)でも作成できますが、携帯性に欠けます。

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適切なリング

「○カン(丸リング)」「継ぎ目が無い」「耐荷重量が充分ある」「内径が50mm〜生地の厚みに合ったもの」「重過ぎないもの」…という条件を満たしていれば大丈夫でしょう。
継ぎ目があると、使用中に生地に引っかかり、傷めてしまうことがあります。
また、「耐荷重量(赤ちゃんを抱き入れ、テール調節の際の負荷に耐えられるかどうか)」に関するデータを分かりやすく明記してあるSHOPから購入すると、安心ですね。

内径に関しては、どんなに薄い生地でも最低50mmは必要かと思います。大抵は50mm〜60mm、
中肉生地なら70mmぐらいが丁度よいです。

重量も無視できません。手に持ったときにズシッとくるものは、肩こりの原因になります。

手芸店で購入できる、木製などの天然素材・アクリル製は破断する恐れがあるので避けましょう。

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生地とリングの相性

手作りで一番難しいのが、この「生地とリングの相性」の問題です。
せっかく適切な材料を選んで作成しても、いざ使用してみると、テールが思うように調節できないことがよくあります。
こればかりは、たくさん作って経験を積みながら知るしかありませんが、完成してから後悔しないため
にも、事前に次のテストをしてみましょう。

  1. 生地の幅を適宜裁断(80cm〜100cm程度)し、幅を4等分に折る(布幅をそのまま使用する場合は裁断しなくてよい)
    布の幅を使用する分、適宜裁断する幅を四つ折りにする
  2. リング2本に通して二つに折り、安全ピンで留めるか大雑把にしつけ縫いをする
    リングを通し、安全ピンで留める(あるいはしつけをかける)
  3. 反対側の生地の端をテールに見立てて通し、両脇(レールに当たる部分)を引く
    反対側の布はしをリングに通してテールに見立て、両端を引く

これでスルスルと布が動くようであればOKです。少なくとも、リングに布が通らないというトラブルは
避けられます。予め、サイズ(或いは材質)の違うリングを2種類ほど用意しておくのが無難でしょう。

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負荷の掛かりやすい部分を知る

手作りスリングの場合、その多くが家庭用ミシンでの製作になることと思います。
工業用ミシンに比べ、家庭用ミシンの縫い目は若干強度に劣るそうですし、材料や道具だけでなく作り手の
ミシンの技術によっても強度は変わってきます。
生地自体の傷みに関しては、使用頻度にもよりますが、耐用年数は平均1年前後と見てください。
お洗濯の際や使用前など、なるべく次の場所にほつれや生地の傷みがないかチェックする癖をつけましょう。

リングありスリング

肩パッド(リングを縫いとめている部分)・テールの“リングとの摩擦部分”をチェックします。
リング交換が行われたものは、特に注意してチェックしましょう。

リングなしスリング

布を輪に繋げている折伏せ縫いの部分をチェックします。

少しでもほつれや生地の傷みを発見した場合は、使用を中止しましょう。

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作り手としてのマナー(推奨)

繰り返しになりますが、スリングは赤ちゃんの命を支える抱っこ紐・命綱です。
ミシンの直線縫い程度の技術があれば、誰にでも気軽に製作を楽しむことができますが、極力「個人で楽しむ
範囲」に留めておくことをお勧めします。

自信がない場合は、無理に作らない

既製品を購入するよりも安価だから…という理由だけで、手作りを希望される方もいらっしゃいますが、
「ミシンの技術に自信がない」「材料選びに自信がない」という場合は、無理に手作りをして取り返しの
つかないことになるよりも、ショップ製品から「アフター万全で使用感・安全性をしっかり計算されたもの」を選んで購入することを強くお勧めします(※)。

個人的には、ミシンがない・使えないから…と、誰か(おばあちゃんや知り合い)に作成を依頼するのもあまりお勧めはしません。
ミシンを覚えるということは、お子さんが大きくなっていく上でとても役に立ちますので、スリング以外の小物を作ってみるなどして練習をし、ある程度自信をつけてからチャレンジしてみましょう。

※既製品の中には、まだ改良の余地があるものも含まれますし、「スリング風抱っこ紐」という形状だけを似せたものも発売されています。
試着を申し込むか、口コミを調べてみたり、交流会などに足を運んで体験してから選ぶのが良いでしょう。

使用経験がないままに作らない

勿論、自分のための出産準備品として…であれば、構わないと思います。
しかし、例えば「頼まれたから」「人気だし売れるから」という理由(使用者が第三者に該当するケース)で、使い勝手の良さなどの体感もなしに作るのは危険です。
なぜならば、完成したスリングの「機能性・安全性の確認をする」「使用中に起り得る事故を予想する」
という作業が、非常に困難であることが予想されるからです。

プレゼントは直接手渡しできる範囲で・自作品には責任を持つ

お友だちや親戚にプレゼントをする場合は、なるべくなら使用方法まで直接フォローできる範囲にしましょう。インターネット環境に居ない人では、なかなか自力で情報収集する方法がないためです。
商売を真似た、無責任な大量生産だけは避けたいものです。

これらはあくまでも私見ですが、スリング及びスリングユーザーの世間の評価にも繋がるかと思いますので、
心に留めておいていただけると幸いです。

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